こんな本を読みました

公開日:1996年7月9日

■ 知られざる懸け橋

知られざる懸け橋

著 者:黒瀬悦成
出版社:朝日ソノラマ
定 価:1,600円
コード:ISBN4-257-03473-4

この本は、1995年12月に韓国政府から「国民勲章」を授章した、枡富安左衛門の生涯を紹介したものです。

実は、この本、買おうかどうしようか迷い、一度は買わないで通り過ぎたのですが、どうしても気になり、結局、2週間後に買ってしまいました。

この枡富安左衛門という人物は、植民地時代の朝鮮半島に渡り、農場経営とキリスト教伝道、教育事業を開始し、それらを通して、韓国人から「恩人」と呼ばれました。
植民地時代に対して良い感情を持っていない韓国の人が、「でも、xxxさんという日本人はいい人だった」とか「あの国民学校の先生だけは、よくしてくれた」等の話しを見聞することがありますが、韓国政府から「国民勲章」を授章するまでの人がいたことは、この本を読むまで知りませんでした。
単にいい日本人であったとか、単にいい先生だったとかだけではない、何かがあると思いこの本を読みました。

この本を読むと、枡富安左衛門が実行したことには、「私財をなげ擲つ」という言葉が合うと感じることが出来ます。
もちろん、枡富安左衛門がおこなったことがどんなに良いことであっても、日本が朝鮮半島に対しておこなったことが、帳消しになるわけではありません。
しかし、このような日本人が存在し、今なお慕いつづける韓国人がいることを知ることは、韓国・朝鮮に関っていく日本人には必要なことだと思います。

自分の業績を自慢するような人間ではなかったため、時が経てば消えていく運命にあった枡富安左衛門の業績を世間に知らせた、この本が出版されたことを感謝するばかりです。

おまけ

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