こんな本を読みました

公開日:1997年4月20日

■ 在日韓国・朝鮮人の参政権要求を糺す

在日韓国・朝鮮人の参政権要求を糺す

著 者:荒木和博
発 行:現代コリア研究所
発 売:亜紀書房
定 価:600円
コード:ISBN4-7505-9711-2

韓国語を勉強し、韓国に興味がある人間であれば、「在日韓国人差別問題とは何か?」という問いの答を考えることは、多かれ少なかれ避けて通ることは出来ないと思います。
私も、前からこの「在日韓国・朝鮮人の参政権」について、考えていました。
最初の頃は、「日本で生まれて日本で生きていく在日二世、三世には、参政権を与えるべきだ」と考えていました。しかし、いろいろと勉強していくと、この考えは誤りであるという結論に達しました。

今回読んだ、「在日韓国・朝鮮人の参政権要求を糺す」は、現在、在日側から行われている参政権獲得運動の誤りを指摘し、在日も日本人も含めて、今後、どのような方向を向いていけばいいのかを指し示しています。

この本にも書かれていますが、日本で生まれて、日本で育って、韓国語なんて全然出来ません、というごく普通の日本人と同じような在日の人が、在日として生まれたということだけで、韓国籍のままでいることにどれだけの意味があるのでしょうか?
在日として生まれたのであれば、韓国語を勉強し、韓国で暮らそうと思えば、日本人に比べてどれだけ有利な地位にいるのか、いったいどれだけの在日の人達が認識しているのでしょうか?
例えば、韓国には、海外同胞の子弟が本国に来て韓国語や歴史等を勉強する教育機関があります。ここで、基礎を身に付けたら、大学等に留学となるわけですが、この教育機関、当然のことながら日本人は入ることは出来ません。(当たり前ですな。韓国人向けの施設ですから。)
また、在日であれば、韓国に親族/親戚がいるでしょうから、これも(私のように、日本人にとっては)うらやましいかぎりです。
韓国人としてのアイデンディティーを確立したいのなら、韓国語を勉強し、話せるようになることが絶対条件なのではないでしょうか?
(普通の日本人が、韓国語を勉強し、韓国に行くことが、ある意味でどれだけ大変なのか、おまえら判ってんのか?と訳のわからん怒りが、私には、ちょっとあります。)

さて、なぜ、在日の人々の中に(一世は別にして)、韓国籍にこだわる人が多いのか考えて見ました。これって、もしかしたら日本人と同じだからではないでしょうか?
つまり「日本で生まれて、日本で育って、韓国語なんて全然出来ません、韓国に行ったこともありません」というごく普通の日本人と同じ思考の在日の人達は、ようするに「日本人」なわけです。日本人が外国籍になりたがらないのと同じ比率/傾向で、在日の人達も外国籍(つまり、ここでは日本籍)になりたがらない、ということではないのかな?と思います。

参政権獲得運動をやっている人達は、よく読んで、この本の問いに答える義務があります。また、「日本で生まれて、日本で育って、韓国語なんて全然出来ません、韓国に行ったこともありません」というごく普通の日本人と同じ思考の在日の人達にも、是非、読んでもらいたいです。もちろん、ごく普通の日本人も読む必要があります。

おまけ

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