こんな本を読みました

公開日:1997年5月5日

■ 韓国・反日小説の書き方

韓国・反日小説の書き方

著 者:野平俊水
発 行:亜紀書房
定 価:1,900円
コード:ISBN4-7505-9608-6

この「韓国・反日小説の書き方」は、韓国語研究者として、韓国に住んでいる筆者が、韓国で発行発行されている反日小説を通して、韓国社会/韓国人が日本をどのように捉えているのかを浮き彫りにし、その問題点を提示し、今後の日韓関係をどうやって築いていけばいいのか、その指標を見せてくれます。

韓国語が話せるようになり、韓国人の友達が出来、韓国に色々としがらみが生じ始めた人であれば、固定観念に縛られてはいけないと思いつつも、
「典型的な韓国人って、存在するんだなぁ」
と、現実に直面することがあるのではないでしょうか?
韓国人は、特に、対日本となると、相対的な考え方が出来なくなってしまうようで、そこが、韓国で「反日小説」が量産される背景になっているように思えます。

この本は、ただ単に、韓国で反日小説がくり返し作られる事情を説明し、問題点を指摘しているというものではありません。
筆者は、本文中でこのように述べています。

韓国人が矛盾だらけの「克日論」を押したてて、日本人・日本文化のこき下ろしに終始し、自己省察の欠如した即興的な民族感情に心酔する姿勢は決して(韓国人のためにも)好ましいとは言えない。しかし、日本人自身もそのような韓国人を非難する立場にはないのだ。なぜならば我々日本人も他国を侵略した自らの歴史に対し、矛盾だらけの論理で正当化しようとし、過去に犯した過ちに対する反省に欠け、他民族に対して排他的であるためだ。相手が自分を理解してくれないと声高に批判する前に、自らを顧みて相手を理解しようとする姿勢こそが求められるのだ。『日本はない』『醜い韓国人』など自分らの嗜好にあった安易な結論を排除して、真の自己省察と相手に対する深度ある研究を試みる勇気を持った者が、日韓関係において最終的な「勝利者」となるはずだ。

相手の欠点を指摘し、俺のほうが偉いんだといっている間は、全然進歩がないということを思い起こさせてくれる内容です。
私はこの本が出た時には、タイトルや出だしの内容で、読むのをためらっていましたが、それは誤りでした。
「日韓関係において最終的な「勝利者」」となりたい人には、必読の一冊です。是非、お読み下さい。

おまけ

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