こんな本を読みました
■ ソウルは今日も快晴 日韓結婚物語
- 著 者:戸田郁子
- 出版社:講談社文庫
- 定 価:686円(税抜)
- コード:ISBN4-06-263804-5
- 出版社:講談社文庫
この「ソウルは今日も快晴 日韓結婚物語」は、1994年に「ソウル・サランヘ」として刊行されたものを文庫化にあたり改題し、そこに、その後におこった出来事を追加、加筆されたものです。
著者である戸田氏は、ご存知の方も多いと思いますが、すでにいくつもの韓国関連の著作があり、活躍されています。
さて、この本では、ひょんなきっかけで韓国人男性と知り合い、結婚に至り、留学や仕事を通して見ていた韓国ではなく、まさに韓国社会の一員となって見た(見えて来た)韓国を紹介しています。
88年のソウルオリンピック開催を契機に、韓国関連の書物が色々なジャンルで出てくるようになりました。
その中には、留学体験記やカルチャーショック体験を綴ったものが、たくさん出版されました。
私が、それらの中で、読んで良かったと思う基準にしているのは、筆者が、
- 韓国に対して愛情を持っているのかどうか
- 視点は、客観的なものかどうか
「韓国に対して愛情を持っているのかどうか」というのは、いいことばかりではなく、韓国が好きだからこそ、韓国に対して悪いところは悪いと苦言を呈しているのかどうかということであり、
「視点は、客観的なものかどうか」というのは、事実をありのままに書いてあるのかどうかということです。
この「ソウルは今日も快晴 日韓結婚物語」は、この二つの基準を充分に満たしたもので、どんどん読み進んでしまいました。
特に、著者である戸田氏は、その堪能な韓国語力と韓国文化への精通を武器に、日本人女性が韓国の大家族の中でどのようにして生き抜いているのか、その描写力は、優れたものがあります。
韓国語の出来る日本人が、韓国社会に溶け込んでこそ書くことの出来た作品であり、冠婚葬祭のくだりは、ほんとうに勉強になりました。
韓国に興味がある人が読んで面白いのはもちろんのこと、韓国に興味がない人が読んでも楽しいエッセイです。