こんな本を読みました

公開日:2000年1月10日

■ ソウルに刻まれた日本 69年の事跡を歩く

ソウルに刻まれた日本

著 者:鄭 雲 鉉
訳 者:武井 一   
発行所:桐書房
定 価:2,200円(税抜)
コード:ISBN4-87647-458-3

この本は、1995年、『ソウル市内日帝遺産踏査記』として出版されたものを、日本語版にする際に、この間に変化があった部分を追加/補充して改訂し、また、訳者によって関連資料の補完、註やコラムの追加をおこなって出版されたものです。

さて、現在のソウルには、日帝時代に建てられた遺物をみることができるのですが、この本は、ソウル市庁や旧王宮のことなど、写真とともに読む事で、それらがどのような背景のもとに作られたのかを詳細に解き明かしています。
また、同時に、韓国人が(といっても、この著者がということですが)どのような視点で日帝の残したものを捉えているのかを知ることが出来ます。

訳者は、あとがきの部分で、このことに触れ「読者はこの本の論旨の展開に違和感を感ずる部分も多いかも知れない。」と指摘し、私自身も、一度読み終わった時には、なにかしっくりとこないものを感じました。
しかし、これはこれで、このような「差」が存在しることを認め合うことが、日韓友好のためには必要なことなんだろうなと、しばらく経ってから思うようになりました。

ところで、この本の訳者である武井氏と私は、顔馴染であり、訳者自身から、この本の翻訳にまつわる苦労談を直接聞くことが出来ました。
当たり前のことですが、日韓文化の近さと遠さの中で揉まれたとのことで、ちょっと大変だったとのことでした。

興味のあるかたは、是非、御一読を!

おまけ

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