こんな本を読みました

公開日:2000年2月11日

■ 白善Y回想録 韓国戦争一千日

韓国戦争一千日

著 者:白 善 Y   
発行所:ジャパン・ミリタリー・レビュー
定 価:1,400円(税抜)
コード:ISBN4-88050-001-1

朝鮮戦争関連の書物を読んでいると、参考文献のところに決まって出てくる本の一冊が、この本です。
この「韓国戦争一千日」は、韓国軍で初の大将になった白善Y氏の回想録です。

著者である白善Y氏は、朝鮮戦争の中でも激戦の一つに挙げられる多富洞の決戦において、師団長として前線に立って突撃したことで知られていて、韓国の歴史の教科書にも登場する人物です。

実際の戦場での経験が無ければ知り得ない事実が、テンポのよい文章で綴られています。
また、韓国軍創世期の苦労談や著者をとりまく人間関係に関する細かな部分の描写も歴史の貴重な証言となっています。

私がこの本の中で印象に残っているのは、著者が米軍の協力を得て戦闘を有利に進めるためには、“韓国軍が二倍三倍と努力して、米軍側に「韓国軍を助けてやらなければならない」という気持ちにさせなければならず、我慢に我慢を重ねなければならなかった”というくだりでした。

国連軍としてやって来た米軍と出来て間も無い韓国軍との間で、お互いの信頼関係が成熟しなければ、共同して作戦を挙行することなど無理であり、そのために著者が苦労と忍耐を重ねていたとは、私はこの本を読むまで知る由もありませんでした。

朝鮮戦争を通して見た「歴史の証言」の一冊です。
是非、御一読を!

おまけ

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