ソウルの地下鉄

公開日:1996年9月1日

■ 募金集めの大学生

ソウルの地下鉄に乗っていると、色々な人が、お金を下さいと乗り込んで来ます。
目が見えない人、両足がない人、腕がない人・・・・、韓国社会は、これらの人々に寛大なのでしょうか、地下鉄から排除するところを見たことがありません。
私も、募金を迫られたことがありますが、募金をする時もあれば、しない時もあります。まぁ、その人の身なりを見て判断しています。別に、腹も立ちませんし、嫌な気分にもなりません。
そのような光景に慣れてしまったのかも知れません。

しかし、一度だけ、腹が立ったことがありました。
きたない格好をした大学生が乗り込んで来た時です。
突然、大声で、「家が貧乏で学校に通うのが大変です。そこで、皆様に寄付をお願いします。」という内容のことを話し出したのです。
何が腹が立ったのかと言えば、五体満足で働くことが出来て、地下鉄の社内で突然大声で話すだけの度胸がありながら、寄付に頼よろうとする、その考え方にです。
そいつは、私の所に寄って来て「お願いします。」と言いやがったので、私は日本語で「すいません、韓国語判りません。」と言い返しました。
そうすると、あ!そうですか、みたいな表情で去っていきました。
「お前、働けよな!!」と心の中で思いつつ、地下鉄から降りて行く姿を見ていました。

おまけ

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