ソウルの地下鉄

公開日:1996年9月1日

■ 日本語のうまいおじさん

日本語ぺらぺらの韓国人の友達と一緒に、地下鉄に乗っていた時のことです。
私達は座席の前に立っていて、そのおじさんは、座席に座っていました。
日本語でその友達と話しをしていると、そのおじさん、私達のことが気になっているようで、二人の話しの内容から、日本人と韓国人が日本語で話しをしていることが判ったようなのです。
二人の話しが、一段落ついた時、そのおじさんは、日本語で話しかけて来ました。
私の韓国人の友達に対して「日本語が上手だね、日本に住んでいるのかね」ということをです。(日本人みたいな日本語を話すのです。)
その友達は、確かに日本語がうまいのですが、日本には旅行で来たことしかなく、住んだ経験はありません。二人で、そのおじさんに対して、その友達は、ソウルに住んでいること、二人は友達で、これから食事に行く途中であること等などを話していると、目的駅に着きました。すると、偶然にも、そのおじさんも同じ駅で降りることが分かり、ホームで名刺交換となりました。

その時、おじさんの日本語が異常に上手なわけが、判明しました。
名刺には、「ソウル大学校 在外国民教育院 学生指導課長 文学博士」の肩書きが並んでいたのです。何の仕事をなさっているのかと言えば、海外にいる同胞(まぁ、ほとんどは在日ですが)が、韓国に留学する時に、韓国の歴史や韓国語を教える”在外国民教育院”の学生指導課長さんだったのです。
在日韓国人の学生相手に、毎日、日本語を使っているわけですから、日本語がうまいわけです。
ホームで別れて、二人で食事に行ったのですが、あまりの日本語のうまさに、韓国人の友達は、舌を巻いていました。

おまけ

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