ソウルの地下鉄

公開日:1998年12月26日

■ マフラーを売っていました

12月の第2週にソウルに行って来ました。
地下鉄に乗っていると、平日の午後だというのに、あれやこれや物を売っている場面に遭遇しました。
もともと、ソウルの地下鉄の中では、日本では考えられないような光景が繰り広げられているのですが、今回の訪ソウル時には、この手の物売りに遭遇する頻度が、やけに高かったです。

その中で、一番印象に残っているのが、マフラーを売りに来た人です。
歳は、30代半ばといったところでしょうか。
ダンボール箱に、化粧箱に入ったマフラーを詰め込んで、地下鉄に乗り込んで来ました。

「お騒がせしてすみません....」といった、お決まりの口上から始まりました。

で、話を聞いていると、
「このマフラー有名ブランドのもので、ロッテやミドパといった有名百貨店であれば、7万ウオンで販売されているものです。しかし、今日は、これを5千ウオンで販売いたします。」
などと、どう考えても嘘だろう?ということを喋り始めました。

おうおう、よう言うわ、と感心していると、なんとその人、ダンボールの箱を持ち上げて、箱に印刷されている会社名と電話番号を指し示して

「もし、この品物が偽物だとか、信じられない時には、ここに電話して下さい、私が応対します。」

とまで言い出しました。
どう見ても正規品ではないのですが、5千ウオン(約500円)という値段の安さと、今年のソウルは既に、マフラーが必要になるくらいの寒さだったので、買おうかどうしようか心が迷ったのですが、一緒にいた友人が止めておけというので、買うの思いとどまりました。

しかし、見ていると、地元の人にとっても5千円は安いとみえて、何人かの人が、そのマフラーを買っていました。


韓国人の友達に、この話をすると、以前と比べて最近は、会社を解雇されたり、倒産などで職を失った人が増えていて、地下鉄の中で物を売る人も増えているとのことでした。
妙なところで、韓国の不景気を実感することとなりました。

おまけ

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