こんな本を読みました

公開日:1998年6月28日

■ 創氏改名の研究

創氏改名の研究

  
著 者:金 英 達
発 行:未來社
定 価:本体2,000円
コード:ISBN4-624-42042-X

この本は、創氏改名の著者でもある、金英達 氏の手によるものです。

この本では、創氏改名の本質が、

・韓国の「性」を日本の「氏」に変えること
・創氏改名とは、「創氏」と「改名」の二つに別れていること

であったことを解き明かしてくれています。

韓国人の名字である「性」が→男系血統を示すもの
日本人の名字である「氏」が→どの家(同一戸籍の親族集団)に属しているのかを示すもの
であることを具体例をもとに説明し、1.の韓国の「性」を日本の「氏」に変えることが、どのようなものであったのかを知ることが出来ます。

また、2.の創氏改名とは、「創氏」と「改名」の二つに別れていた事実に関しては、当時の法令集、新聞の実例等を通して、当時から現在に至るも、韓国人も日本人も「創氏改名」というものをいかに正しく理解していない(出来ていなかった)のかを認識させられました。
例えば、創氏には「設定創氏」と「法定創氏」の二つの方法があり、六ヶ月の届出期間内に届け出をしなくても罰則はなく、金xxという名前の場合、届け出をしなかった場合には、「法定創氏」の定めにより、「金」という氏を創氏したということで、そのまま、金xxという名前のままになり、戸籍上の表記にその旨の変更が加わることになります。
つまり、創氏に関して言えば、本人の意志とは関りなく、100%実施されたということです。

「うちは、創氏改名をしないで、性を変えることはなかった」と考えている韓国人がいますが、これは勘違いであり、法律上(戸籍上)は、「創氏」していることになっています。

有名な洪思翊中将は、洪思翊という名前のままで、陸軍中将にまで登りあげたのですが、一般にイメージされている創氏改名のもとで、なぜ、名前を変えることなく中将までなれたのか不思議なはずです。
また、梶山季之が書いた「族譜」という作品が、「創氏改名」という制度をいかに誤解/無理解に基づいて描かれたものであるのかを知ることが出来ました。(従来の創氏改名のイメージを持ったままでは、ここら辺を、理解出来ません。)

単に創氏改名は悪い事だということは、簡単なことです。
しかし、批判をするためには、事実を正確に知らなければなりません。
実存する資料を丹念に調べた結果が、この本には詰っています。
韓国・朝鮮問題に関っていく人は、必読の一冊です。

おまけ

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